2025年9月02日

調布 歯科医院 ムラタデンタルクリニック
こんにちは。
今日は、一般的な横向きに生えている親知らずの抜歯のやり方についてになります。
親知らずとは8番目の歯で、智歯ともいいます。親知らずは、一般的に抜歯をした方がよい状態にある事がほとんどだと考えます。
理由としては、手前の7番目の歯に食い込み中途半端な位置に埋まった状態になっている事で、周囲歯肉の炎症を引き起こしたり、7番目の歯にむし歯をつくる原因になる事が多いからです。
しかし、親知らず抜歯術後は、一時的に痛みや腫れを併発することがほとんどであるため、抜歯の必要性と、抜歯後の痛み腫れの怖さ、抵抗感を考慮し、抜歯をどのタイミングでおこなうのかを検討する必要があります。
ポイントは、親知らずを原因とする何かしらの悪症状が出現してから抜歯を検討するか、悪症状が出現するまえに予防的に抜歯を検討するかという所かと思います。
それでは、親知らず抜歯方法です。

左下、親知らずの抜歯です。
局所麻酔が完了したら抜歯処置スタートです。
左側下顎7番部分を縦に切開します。

切開が完了したら、骨からはがすように歯肉をめくります。

歯肉をめくると、横向いた親知らずの歯冠部分が目視できるようになります。

歯冠分割です。
歯は、歯冠方向の1方向にしか抜けてこないため、歯冠部分を削り分割します。

歯冠部分の分割、除去が完了しました。
次に、歯根部分を、除去した歯冠部分のスペース方向に引っ張り出し、歯根を除去します。
すべての歯が除去できたら、歯の破片などが残っていないか最終確認をします。

切開した歯肉を縫合します。
縫合も、ただ歯肉どうしを縫うのではなく、歯肉の層がズレたり重なったりしないように糸をかけ縫合します。
この時、歯肉の層がズレたり重なったりしてしまうと、創部治癒後に7番歯周囲の歯肉炎、歯周病の進行を引き起こす原因となってしまいます。
抜歯処置後、約1~2週間後に抜糸をし創部治癒経過に問題なければ完了です。
抜歯日より約2~3日間は痛み腫れのピークとなります。そこからさらに3~4日間で痛み腫れが軽減していきます。
抜糸時には痛み腫れがほぼおさっまている事がほとんどです。
ごく一般的な流れになりますが、このように親知らずの抜歯処置をおこなっています。
著者 歯科医師 村田拓也