2025年8月27日
今回は、インプラント埋入処置の時に併用するサージカルステントについてです。
サージカルステントは、被せ物(上部構造)の位置を考慮しながら適正な位置にインプラントを埋入するためのガイドとして使用する装置です。
細かい工程はもっとありますが、ポイント事にご説明していきます。
口腔内の型どりをし、出来上がった模型上で、反対側の歯牙位置や嚙み合わせを考え、歯牙の形態でワックスアップした、モックアップ模型を製作します。

出来上がったモックアップ模型をスキャニングしデーター化します。
サージカルステントを製作するための専用ソフトを使用し、モックアップ模型のデータと、CT画像データをマッチングさせ、2つのデータを正確に重ね合わせます。
正確に重ね合わせたデータ上で、インプラントの径、長さと、インプラント埋入の位置、角度、深さを設定したのち、患者さんご本人のお口に合ったサージカルステントが完成します。

しっかりと口腔内にフィットするか、手術前に試適確認します。

この時大切なのが、ステント上の歯牙固定部分に設定した3か所以上のホール部分において、歯牙とステントがすべての位置で浮きなくしっかりと適合しているかを確認する事です。
この段階で適合不良ですと、インプラントの埋入位置もすべてくるってしまいますのでとても大切な作業です。
適合が問題ない事が確認できたらインプラント埋入手術です。
サージカルステント専用のドリル、補助器具を使用しインプラントを埋入します。
インプラントの埋入方向、深度はサージカルステントを製作時に設定しているので、後はステップ通り進めていきます。
インプラント埋入後は、骨にくっつくまで待機(インテグレーション)し、型どりし、完成です。

被せ物(上部構造)は、ジルコニアフレームにポーセレン築盛(ジルコポーセレン)です。
口腔内の周囲歯牙状態の写真をとり製作しますので、リアリティーな上部構造となります。
上部構造の製作方法は2種類あります。セメント固定とスクリュー固定です。今回の写真は数年前のセメント固定が主流であった時代のものなので、セメント固定での製作方法です。状況によりますが、現在はスクリュー固定が主流となってきています。
セメント固定、スクリュー固定の違い、今後また記事にさせていただきます。

キレイに完成いたしました。
インプラントの埋入方法として、今回はサージカルステントを使用した方法をご説明させていただきました。近年工業技術の発達により、サージカルステント頼りでも比較的精度良くインプラント埋入ができるようになりました。
しかし、実際の骨状態と、CT画像上での骨状態では多少相違がある事がほとんどです。CT画像上すごく骨状態の良い場合はサージカルステント頼りでのインプラント埋入も良いかもしれませんが、骨の隆起があったり、骨造成が必要であったりする場合、必ずしもサージカルステントを使用した方法が優れているとは言い切れないと考えております。
インプラント治療の技術差は、インプラント治療経験はもちろん、術前診査診断において様々な可能性を想定、準備をしておき、手術中どのような状況においても的確に対応できるかどうかという部分かと思います。
上部構造の位置、方向もすごく大切であり、常に意識しながらおこなわなければいけませんが、インプラントをしっかりとした位置、方向できちんと骨に植立することが良好な長期予後につながると考えております。
村田拓也